
湯の山温泉がある三重県菰野町で土産品を製造する「日の出屋製菓」(同町菰野)は、3月から新型コロナ禍で温泉街への客足が途絶えた影響で4月中旬、休業に追い込まれた。旅館や観光施設に卸していた商品も全て回収する羽目になり、大量の在庫を抱えた。専務の千種啓資さん(39)は「事業をやめてもおかしくなかった」と当時を振り返る。そんな窮状の中で仲間がSNSで支援の輪を広げてくれた。おかげで全国から注文が舞い込み、何とかピンチを脱した。前を向いて20日、約40日ぶりに工場を再開した。感謝の気持ちをかみしめながら――。【松本宣良】
日の出屋製菓は、千種さんの祖父が戦後間もなく、手焼きの炭酸せんべいをリヤカーを引いて売り歩いたのが始まり。今は地元の湯の山温泉とナガシマリゾート(桑名市長島町)をメインに多彩な土産品を販売し、ここ数年は県外にも販路を広げている。
順風が大逆風に転じたのは3月。湯の山温泉の旅館で団体客を中心にキャンセルが相次ぎ、「商品が返品され、大変なことになる」と直感した。減産して様子を見ていたが、客足はさらに鈍り、4月に入ると次々と閉館。工場をストップし、商品の回収に走り回らざるを得なかった。
会社は在庫の山。細々とインターネットで割引販売するしかなかったが、仲間に「SOS」を出すと、SNSで支援を呼びかけてくれた。すると全国へ拡散し、北海道から鹿児島まで各地から注文が続々と入りだした。
商品発送のため、夜中に注文書に目を通していると、知っている名前が何人もあった。「遠方の同級生や町出身者が『微力ですが力になれれば』などのコメントを付けてわざわざ買ってくれた。泣けてきました」。これまで月に数件だったネット通販が4月下旬から今月半ばまで優に200件を超え、在庫を解消できるめどが付きつつある。多くの人に助けられた感謝の意も込め、町内の園児や学童保育に通う子らに商品も寄贈した。
政府の緊急事態宣言が解除され、一部の旅館や観光施設が動き始めたことを受け、20日に工場を再開した。「観光やレジャーに人が戻ってくるのはもっと先になると思うが、当面は週2、3回のペースで需要を見ながら商品を作っていきたい」。再び、温泉街がにぎわう日々を待ち望みつつ、ネット通販の発送時には地元をPRする観光パンフレットも忘れずに同封している。
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