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ドル下落率10年ぶり大きさ 7月、金は最高値2000ドル台 - 日本経済新聞

FRBのパウエル議長はあらゆる手段で景気を支える姿勢をみせる=ロイター

FRBのパウエル議長はあらゆる手段で景気を支える姿勢をみせる=ロイター

【ニューヨーク=宮本岳則】為替市場でドル売りの動きが続いている。総合的な通貨の強さを示す「ドル指数」は7月に4%超下げ、月間の下落率としては約10年ぶりの大きさとなった。新型コロナウイルスの感染が拡大した当初は、基軸通貨のドルが買われた。米国の景気や政治への不安の高まりから、マネーが逆流している。

31日の外国為替市場では、米インターコンチネンタル取引所(ICE)の算出するドル指数が一時、92.546をつけ、2018年5月以来の低水準となった。

欧州ユーロをはじめ主要通貨に対してドルが売られる状況が続いている。ドル指数の7月の下落率は前月末比4%となり、10年9月(マイナス5.4%)以来、9年10カ月ぶりの月間下落率となった。市場でも「基調はしばらく変わらない」(米モルガン・スタンレー)との声がある。

ドル売りが続く背景には、景気低迷が長引くとの懸念がある。経済活動の停滞で、4~6月期の実質国内総生産(GDP)成長率は過去最悪の落ち込みとなり、雇用の回復も足元で鈍ってきた。欧州と比べ、新型コロナの新規感染者数が増えている。

「米議会で経済対策の成立が遅れていることも嫌気されている」(米インバーネス・カウンセルのティム・グリスキー氏)という。一方、欧州では復興基金の設立が決まり、ユーロを買い戻す動きが強まった。

ドル安の背景には米実質金利の低下もある。実質金利は、名目金利から物価変動の影響を除いたもので、お金の実質的な価値の変化を映す。10年の実質金利は31日にマイナス1%まで低下し、過去最低水準を更新した。

財政出動で物価上昇率の見通しは高まり始めた一方、大規模な金融緩和が国債利回りを押し下げている。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は29日の記者会見で、あらゆる手段で景気を支える姿勢をみせ、長期緩和観測につながった。

コロナの感染拡大の当初はドルが買われ、新興国通貨は軒並み大幅に下落した。ドル建て債務の返済負担が膨らんだ新興国の不安を招いた。足元のドル安で新興国通貨は総じて安定しているが、昨年末と比べて水準はなお低い。外貨準備に不安のあるトルコのリラなどはなお弱含んでいる。

マネーは金に向かっている。国の信用力に依存しない「無国籍通貨」ともいわれ、世界の基軸通貨であるドルの下落局面で代替資産として買われやすい。国際指標のニューヨーク金先物は中心限月の12月物が31日に一時1トロイオンス2005ドルまで上昇し、過去最高値を更新した。

各国中銀がマネーの供給量を増やし、財政赤字も膨らんでおり通貨の信認が揺らぎかねないとの懸念がある。「今後18カ月間で3000ドルをつける」(米バンク・オブ・アメリカ)といった予想も出始めた。

株式市場にもドル安の影響が広がり始めた。米ゴールドマン・サックスは、米国株ではIT(情報技術)など海外売上高が大きくドル安の恩恵を受けやすい銘柄が有望とみる。日経平均株価は先週末まで6日続落した。円相場が一時、1ドル=104円台前半に下落し輸出株に売りが広がった。

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August 01, 2020 at 02:40AM
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