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ウクライナ侵攻での「ロシアの状況は悪化する」 ロシア軍退役大佐が国営テレビで発言 - BBCニュース

スティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長

Mikhail Khodarenok

ロシアの主要メディアはウクライナでの戦争について、国外ではまず見られないような視点を提供している。まず、戦争と呼ぶことすらしない。しかし、16日に国営テレビで放送されたある番組で、驚くべき珍しいやりとりがあった。

国営テレビが1日に2回放送する、目玉トーク番組「60 Minutes」での出来事だった。スタジオでは普段、ウラジーミル・プーチン大統領大統領がウクライナでの「特別軍事作戦」と呼んでいる出来事も含め、ロシア政府のあらゆる主張に沿った宣伝が繰り広げられている。

ロシア政府は現在も、ロシア軍の作戦は予定通りに進んでいるとの主張を貫いている。

しかし16日の夜、軍事アナリストでロシア軍退役大佐のミハイル・ホダレノク氏は、全く違う見方を示した。

ホダレノク氏は番組の中で、ウクライナが欧米から追加の軍事支援を受けると「(ロシアにとっての)状況は明らかに悪化する」、「ウクライナ軍は100万人を武装化できる」と警告した。

またウクライナの兵士について、「祖国を守りたいという思いは非常に強い。戦場での究極の勝利は、守るべき思想のために血を流している兵士たちの高い士気によって決まる」と解説した。

「(ロシアの)軍事的・政治的状況の最大の問題は、どんなに認めたくないとしても、我々が政治的に完全に孤立し、全世界を敵に回している点だ。この状況を解決しなければならない」

「我々に敵対する42カ国の連合が存在し、我々の軍事・政治的な、そして軍事技術的な資源が限られている状況は、正常とは言えない」

スタジオにいた他のゲストは黙っていた。いつもは熱烈にロシア政府を擁護する司会のオルガ・スカベイエヴァ氏も、妙に沈んでいるように見えた。

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色々な点で、これはホダレノク氏による「だから言ったのに」というメッセージだ。

ロシアがウクライナに侵攻する以前の2月、同氏はロシアの防衛専門誌への寄稿で、ロシアがウクライナとの戦争に簡単に勝つと主張する「熱心なタカ(強硬派)と性急なカッコウ」を批判している。

ホダレノク氏は当時、「ウクライナとの軍事紛争はロシアの国益にはならない」と結論付けた。

これは、印刷物での批判に過ぎなかった。しかし、何百万人もの視聴者がいるテレビでとなると、まったく別の次元の話だ。ロシア政府は独立系ニュースメディアを閉鎖し、世論形成の主要なツールであるテレビがメッセージ性を持つようにすることで、国内の情報状況をコントロールすることに全力を注いできた。

だからこそ、ロシアのテレビでこうした現実的な分析を聞くことはめったにない。

まれな出来事だ。しかし唯一無二ではない。ここ数週間、テレビでも批判的な意見が聞かれるようになった。3月には別の人気トーク番組で、あるロシア人映画監督が「ウクライナでの戦争は恐ろしいもので、私たちの社会に非常に抑圧的な影響を及ぼしている」と語った。

では「60 Minutes」では何が起きたのか? ウクライナに関する自発的かつ故意の、それでいて予想外の警告が、網の目をすり抜けたのだろうか?

それとも、「特別軍事作戦」の進展に伴うネガティブなニュースをロシア国民に覚悟させるために、あらかじめ計画された現実の吐露だったのか?

結論は出せそうにない。だが、ロシアで出されるシグナルをキャッチするため、テレビでおなじみのフレーズどおり、チャンネルはそのままにしておく必要がある。

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