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高まる「タカ派」の声、プーチンが追い込まれている - Newsweekjapan

<ロシア国内では今、反体制派ではなく、退役軍人グループや軍事ブロガーが「プーチンは手ぬるい」と不満を発している>

ロシアで、ウクライナでの戦争への不満が高まっている。ただし、不満を発しているのは反体制派ではなく、タカ派の退役軍人グループや軍事ブロガーだ。

彼らは遅々とした戦況に対して膨らむいら立ちを表明し、ウラジーミル・プーチン大統領に国民総動員を要求する向きもある。

筋金入りのナショナリストたちから上がる不満の声は、プーチンが自ら招いた窮地の一端を示している。

プーチンが相手にしているのは、確実だと約束されていたはずの勝利を渇望するロシア国民と、消耗しすぎて勝利できないロシア軍だ。

英国防省情報機関が5月下旬に発表した報告書によれば、ウクライナ侵攻開始から3カ月間のロシア軍兵士らの推定死者数は、ソ連時代に9年以上にわたって続いたアフガニスタン侵攻の際の総死者数(約1万5000人)と同水準に達している。

ロシアでは独立系メディアや反政権派が表立った戦争批判を封じられ、多くの反戦デモ参加者が逮捕された。

それでも軍事ブロガーらは、不満表明の数少ない場として機能するメッセージアプリ「テレグラム」を使い、自由に情報発信している。

軍事ブロガーが示す不満はある事実を浮き彫りにする。すなわち、今回の戦争をめぐってプーチンが真の難題に直面するとしたら、それは現状を手ぬるいと考える国内タカ派が突き付けるものである、ということだ。

退役軍人団体の全ロシア将校協会は5月中旬、プーチンと政府高官らに宛てた公開書簡で、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を制圧できない状況を「失敗」と形容。ドローン(無人機)や弾薬、赤外線カメラが不足していると非難した。

書簡は民族主義的用語や陰謀論に満ち、今回の戦争を「白人・キリスト教徒の欧州」を守る戦いと表現している。

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