<ウクライナがF16を手にする日がいよいよ近づいてきた。ロシアの最新鋭機Su57から制空権を取り戻せるか>
ウクライナは、西側支援国から供与されたF-16戦闘機が前線に届くのを待ちわびている。ウクライナは、2年以上にわたるロシアとの過酷な戦争を経て、「ファイティング・ファルコン」の愛称を持つこのアメリカ製戦闘機こそが、ロシアの航空優勢に対抗するカギになる、と期待をかけている。
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数カ月におよぶ外交圧力の末、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はついに、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のデンマーク、オランダ、ベルギーからF-16戦闘機の供与を受けた。アメリカと同盟国は協力し、4月はじめからウクライナ軍パイロットにF-16の操縦方法を訓練してきた。機体自体も、今後数週間のうちにウクライナに届けられるとみられている。ゼレンスキーは、ロシア軍と「同等の戦力」を実現するには、120〜130機のF-16が必要だと述べている。
ロシア側で迎え撃つ戦闘機はSu-57だ。F-16が信頼性と多用途性を備える一方、Su-57の高度なステルス性能は、手ごわい障壁となって立ちはだかるだろう。
Su-57は、ロシアの第5世代ジェット戦闘機であり、高度なステルス技術、3Dの推力偏向ノズルを備えたエンジン、そして幅広い兵器搭載能力を誇っている。
ロシアの軍事資料によれば、Su-57は、高度6万フィート近くの上空で「音速の2倍以上」の速度で飛行できる能力を持ち、航続距離は約2900キロを超える。
兵装としては、レーダー誘導、あるいは赤外線誘導(熱検知)の空対空ミサイル、無誘導の空対地ロケット、通常爆弾、クラスター爆弾、30ミリ口径で銃弾を発射する航空機関砲が搭載できる。
NATOのコードネームは「重罪犯」
2基のエンジンを持つこのステルス戦闘機は、ロシアの防衛産業大手スホーイ社によって、2000年代初頭に開発された。そのルーツは、冷戦時にまでさかのぼる。当時、ソビエトは新世代の戦闘機が必要だと判断した。「Su-27」や「MiG-29」からなる当時の航空部隊のあとを継ぎ、前線での戦術的な作戦を実行する役割を担う戦闘機だ。
だがSu-57は、製造の遅れや、性能面での問題に直面した。特に、エンジンとステルス性能については、問題が顕著だった。一部の軍用航空機専門家は、Su-57の丸いエンジンノズルは外から視認しやすく、レーダーによって検知される可能性が高いと指摘する。このため、ステルス性能が低下する。
このように性能面で物足りない点はあるものの、Su-57(NATOのコードネームでは、「重罪犯」を意味する「フェロン」)は、F-16より優れた点もいくつかある。防衛関連情報の専門誌「ナショナル・インタレスト」の報道によると、第5世代の「フェロン」は、地上レーダーとの連係が可能だという。これにより、第4世代と比べて、最初のミサイル発射が速いというアドバンテージがある。
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