NY円、反発 1ドル=106円85～95銭 米中対立懸念で円買い - 日本経済新聞

【NQNニューヨーク=古江敦子】1日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、前日比30銭円高・ドル安の1ドル=106円85～95銭で取引を終えた。米政府が中国に対して新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の責任を指摘し、米中関係が悪化すると警戒された。投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から、低リスク通貨とされる円に買いが入った。

トランプ米大統領は4月30日の会見で「中国はウイルスを封じ込めることができたはずだ」と述べ、ウイルスが中国武漢の研究所で発生した可能性についても肯定的な姿勢を示した。1日は米国家経済会議（NEC）のクドロー委員長が米CNBCに出演し「中国は責任を負うことになるだろう」と述べた。米政権は中国製品の関税引き上げや賠償金の請求を検討中という。

「米中貿易摩擦が再び激化する可能性が意識され、投資家の間でドルの保有にはリスクがあるとの声が広がっていた」（BKアセットマネジメントのキャシー・リエン氏）との指摘があった。米株式相場の下落も投資家心理を冷やし、円買いを誘った。

ドルは円など主要通貨に対して下落したが、中国本土以外のオフショア市場で取引される人民元に対しては大きく上昇した。

円の高値は106円62銭、安値は107円08銭だった。

円は対ユーロで3日ぶりに反発し、前日比10銭円高・ユーロ安の1ユーロ=117円30～40銭で取引を終えた。米中対立の再燃懸念で投資家心理が悪化し、相対的に安全な通貨である円はユーロに対しても買い優勢となった。

ユーロは対ドルで3日続伸。前日比0.0020ドル高い1ユーロ=1.0970～80ドルで終えた。一時は1.1019ドルと1カ月ぶりのユーロ高水準をつけた。米中関係の悪化を意識したドル売りが対ユーロでも強まった。欧州中央銀行（ECB）が前日の理事会で量的金融緩和の拡大を見送ったことも引き続きユーロを支えた。ユーロの安値は1.0972ドルだった。

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May 02, 2020 at 04:32AM
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