【ジュネーブ=細川倫太郎】スイス国立銀行(中央銀行)は19日、スイスフラン売りの為替介入を強化すると発表した。スイスフランが対ユーロで約4年8カ月ぶりの高値圏で推移しており、これ以上の通貨高を抑えるのが狙い。一方、世界で最低水準にある政策金利はマイナス0.75%に据え置き、利下げは見送った。
スイス中銀は新型コロナウイルスによって「世界とスイス経済の見通しは著しく悪化しており、スイスフランはさらに高く評価されている」と指摘。「外国為替市場に強く介入し、状況の安定化を図る」とした。2020年の経済成長率は当初、1.5~2%を予測していたが、マイナス成長に陥るとの見方を示した。
永世中立国のスイスは政治が安定し、有事の際に買われやすい。投資家は逃避先としてスイスフランにお金を振り向け、年初からスイスフランの上昇が一段と加速した。足元は1ユーロ=約1.05スイスフランで推移している。通貨高は時計メーカーなど輸出関連企業にとって打撃となる。
スイスでは新型コロナの感染者が約3900人に達した。政府は非常事態を宣言し、食料品などを除く商業店舗を閉鎖した。個人消費や生産の停滞は避けられない。
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March 20, 2020 at 12:09AM
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スイス中銀、フラン売り為替介入を強化 通貨高を抑制 - 日本経済新聞
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